スギ花粉の舌下免疫療法の新規スタートは現在休止しています。再開は2024年春の花粉飛散シーズン終了後を予定しています。

アレルゲン免疫療法とは

舌下免疫療法、減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因となるもの(アレルゲン)を体内に少しずつ取り入れて、徐々に体をアレルギーの原因物質に慣らし、症状を和らげ、アレルギーが起きないようにする治療法です。スギ花粉症に対する舌下投与は『シダキュア』(シダキュアは小児でも可能)、ダニ(ハウスダスト)に対する舌下投与は『ミティキュア』となります。同時の処方はできませんので、ご注意ください。

良い点

・臨床試験の結果では、約80%の方に効果がありました。
・免疫を作る治療法ですので、根治が期待できます。また、根治までいかなくてもスギ花粉時期に症状が軽くなる、薬を減らせるなどの効果が期待できます。

注意する点

・治療に3年~5年、毎日薬を飲み続けなくてはなりません。
・20%の方には効果がありませんでした。
・副作用が生じる可能性を否定できません。

口にアレルギーの原因となるものを入れることによりアレルギー反応が起こる可能性があります。このような反応は副作用と呼ばず、副反応と呼びます。
スギ花粉(シダキュア)の場合は、これまでの海外での実績で重篤な副反応はきわめて稀であり、従来の注射による方法よりも安全とされます。しかし、軽い副反応はありますので、治療時にはよく理解する必要があります。
ダニの舌下免疫療法の副反応は、スギ花粉症の舌下免疫療法よりも高率で、強くおこりますので、注意しながら治療をしていきます。特に治療初期によく起こりますので、治療開始時には治療方法をよく理解し守っていただく必要があります。最も多い副反応が、痒み・違和感・腫れなどの「口腔内」の症状です。

治療を受けられない方

・スギ花粉症またはダニ・ハウスダストアレルギーではない方
12歳未満の方(『シダキュア』は小児でも可能)
重い気管支喘息の方
悪性腫瘍(がん)の治療中または経過観察中の方
免疫系の病気がある方

注意が必要な方

・アレルゲンを使った治療や検査によってアレルギー症状をおこしたことがある方
・気管支喘息の方
・65歳以上の方
・妊婦の方、授乳中の方
・抜歯後や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
・重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方
※高血圧でベータブロッカーという薬を服用している方は、他の薬に変更する必要があります。
・他に服用中のおくすりがある方(非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI)など)
・全身性ステロイド薬の投与を受けている方
・スギ花粉以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方
・近いうちに妊娠を希望されている方

治療を検討している方は、必ず確認してください

1、年単位になる長時間の治療を受けられる。
2、舌の下に薬を2分間保持したあと飲み込むことを毎日継続できる。根気よく治療できる。
3、2週間に1度、来院・受診できる
4、根治する方もいるがすべての患者さんに効果を示すわけではないことを理解できる。
5、アナフィラキシーなどの副作用がおこるおそれがあることが理解できる。

このような方にお薦めします

・数年以内に妊娠の希望や予定はないが、将来に妊娠した際に薬が使えないのが不安。
・まだ若いので、これからずっと毎年花粉症や鼻炎に悩むのか考えると心配。
・症状を軽くし、治療薬を少しでも減らしたい。

治療のスケジュール

診察させていただき、治療可能かを判断し、次回の診察日を決めます。
次にいらした時に、当院内で初回投与をおこないます。この時、30分ほど院内にて待機いただき、様子をみます。
あとは2週間自宅での投与後に来院していただきます。

リンク

ゆたクリニック:アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)の詳しい情報に関してはこちらをご覧ください。
鳥居薬品のアレルゲン免疫療法専門サイト